ある心理学者の研究によると---
テレビの暴力場面が視聴者の攻撃行動にどのような影響を及ぼすかという問題は非常に複雑だが、この問題に関する28の実験のレビュー結果は非常に説得力がある。
子供から思春期までの年代で、映画で他人の攻撃的な振る舞いを映した場面を見た後は、そうでない場面を見た後よりも、暴力的な振る舞いが多くなることが確認された。
また、最近のことだが質の良くない食べ物のせいで肥満になる人が増えているという懸念が高まったときに、衛生局の職員達は、ファーストフードの消費を描いたメディアの広告が、社会的証明の効果によって、質の悪い食事を選ばせやすくしているのかもしれないと心配していた。
「もし広告に出てくる人が誰も彼もファーストフードをおかわりしているなら、私だってそうするかもしれない」。
子供たちを対象とした、ある研究の結果はこの心配を裏付けている。
ファーストフードの宣伝を見る機会が多い家であればあるほど、消費量も多かったのだ。
しかし、これは広告によって親のファーストフードに対する考えが変わったというわけではない。
変わったのは親たちのファーストフードの消費に対する見方だった。
彼らのコミュニティーては、ファーストフードを消費することが、以前よりも普通なことであるとみなされるようになったのである。
このように、社会の一般的な価値観(思考傾向)であると感じたとき、「こういうものか」と自分の見方を変えてしまうかも知れません。
その方面についてしっかりとした自分なりの考え方を持っていないと、少しの違和感を感じたとしても、自分なりに受け入れてしまうかも知れません。