「緊急時の役割分担」については、今までの事前対策において検討してきた内容を、誰がどのように負担していくかということになります。
BCPにおける“緊急時の体制の整備”として「BCP対応体制の明確化」の記事に次の内容があり参考となります。
被災後の対応&復旧ストーリーを考慮して、下記の各段階において、その対応事項を誰が受け持つのか?
当日~(初動対応)
:避難 安否確認 お客様対応 初期消火 地域への対応 等々
数日~(復旧に向けた対応)
:重要商品復旧 取引先との連絡調整 行政・団体への対応
対外情報発信 資金の確保 等々
家庭内では、FCPを家族で検討していく過程で、自然と役割分担は決まってくると思われますが、近隣との関係も認識しておく必要があります。
隣近所は「互近助(ごきんじょ)」という言葉があるそうです。
急病の場合でも、救急車の到着を待つまでの間の救急処置の大切さをいわれています。
災害時においても、「近助(きんじょ)」の相互援助が重要になります。
阪神・淡路大震災において、建物の下敷きなどで自力で脱出できないでいるとき、助けられた人の約77%は家族や隣近所の人によって助けられたといわれています。
いつも引用させていただいている「地震いつもノート」にも下記のような記事があります。
助け合うこと、声をかけ合うこと、隣に住む人がどんな人でどんな事情を抱えているかを知っていること。
そうしたことこそが、どんな知識よりも、備蓄よりも、大きな力になったのです。
--お隣さんに助けてもらった
--近所の若者が声をかけてくれた
--励まし合えた
--遠くまで助けを呼んでくれた
--誰がいないのかすぐに分かった
・・・
今さら言うまでもありませんが、「隣近所の大切さ」は常に認識しておく必要があると思います。
<「オープンチャットの活用」事例>
建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン(令和2年6月)
国土交通省住宅局建築指導課
経済産業省産業保安グループ電力安全課
にオープンチャットの活用事例が紹介されています
事例20 パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー
神奈川県川崎市にある分譲マンション。
令和元年東日本台風による大雨の影響で建物地下の電気室が浸水し、全棟停電する被害が発生した。
被災当時、物資の共有や設備の設置状況、住民ボランティアの募集などに関する情報共有について、紙の張り出しのほか、SNS で居住者専用のオープンチャット(約890 名参加)を作成して対応した。
当該マンションの管理組合では、令和元年東日本台風由来の課題対応のために理事会諮問機関「SFT1013 対応タスクフォース」を設立して対応にあたったが、このメンバーを募集する際にもオープンチャットを活用した。