災害等に遭遇して、「如何に事業を継続していくのか?」という課題に対して、中小企業庁からも「中⼩企業BCP策定運⽤指針」が示されています。
その指針の中で、下記のようにBCP(事業継続計画)が説明されています。
BCP(事業継続計画)とは、企業が⾃然災害、⼤⽕災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最⼩限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に⾏うべき活動や緊急時における事業継続のための⽅法、⼿段などを取り決めておく計画のことです。
これは、各企業が「関係する人たちの人命尊重を第一」としつつも、その後の関係者の生活基盤を守るため、被災後の事業の継続を事前に検討しておくというものです。
ところが、指針等に示される内容は、“私たちの生活の場”における被災対応としても参考となる事項が多くあります。
そこで、“生活の場”という視点で、このBCPの内容を検討してみたいと思います。
(いわば「FCP:Family Continuity Plan」への“試考”というようなものです。)
まず、どのような災害が私たちの周りにあるのか?
「私たちを取り巻くリスク」を洗い出してみたいと思います。
BCPにおいては(事業継続の視点では)、対象災害等として以下のような「企業を取り巻くリスク」が挙げられます。
<c.f.>『①企業を取り巻くリスクの洗い出し』
<自然災害リスク>
- 地震
・倒壊
・火災
・浸水
(南海トラフ地震、---) - 風水害
・台風
・集中豪雨
・洪水 - 土砂災害
- その他自然災害
・雷
・雹
・山火事
・干魃(かんばつ)
・猛暑
・渇水・水不足
・大寒波
<社会災害リスク>
- 火災・爆発
・地震に伴う火災
・管理不備による火災 - 食中毒
- 集団感染
・新型コルナウイルス
・インフルエンザ
・その他
<悪意による災害リスク>
- 妨害
- 窃盗
- 詐欺
- 暴力
- コンピュータ関連犯罪
- その他(防犯)
<生産活動に起因する災害リスク>
- 労働災害
- 科学技術関連
・事故・故障・トラブル関連
・対応の不備
<経営管理上の不備他>
- 営業不振
・需要減少
・商品&サービスの欠陥
・技術ミス、サービスの質の問題 - 内部管理(組織管理)不備
・企業不祥事(ビジネスエシックス) - 経営トップ(経営中枢者)の課題
・経営トップの死亡、病気
・経営の誤り(意志決定判断リスク)
・事業承継問題
・-- - 人材リスク
・人手(人財)不足
・-- - 過度の(或いは誤った)マスコミ情報による被害
以上において、「生活の場におけるリスク」として
<自然災害リスク>
<社会災害リスク>
<悪意による災害リスク>
が考えられます。
主に、「消防」「警察」関係の事項です。
以上の他にもいろいろなリスクが挙げられると思います。
居住場所による特異事項もあると思います。
個々のケースを細かく考えれば切りがありませんが、「“生活の場”におけるリスクマネジメント」として、以上のようなリスクがあることを念頭に置いておく必要があります。
「行政任せにして安心していてはいけない」とは、多くの被災経験者の言葉です。
因みに自治体が出す「避難警戒レベル」は下記のようになっています。