BCPの具体的な目的と課題を明確化(項目の明示と優先順位の明確化)しておくことは、BCPを検討していく過程で振り返る指標ともなります。
BCP策定運用指針には、目標として下記が例示されています。
- 人命(従業員・顧客)の安全を守る
- 自社の経営を維持する
- 顧客からの信用を守る
- 供給責任を果たし。従業員の雇用を守る
- 地域経済の活力を守る
優先順位のトップには当然に「人の命を守る」が来ます。
会社業務における関係者或いは顧客の命を守るということは、経営の「最優先事項」です。
(悔やむことのない判断を明確にして、職場で共有し、納得しておきます。)
次に「会社を存続させるため」がきます。
被災後に経営基盤を存続できなければ、関係者の生活を維持できなくなります。
経営基盤が維持できてこそ、従業員の雇用を守り、顧客筋からの信用も得、社会的責任を果たすことができます。
以上の観点からも、「BCPの基本方針」は「 “最高レベルの経営方針” の表明」とも言えます。
そして次に、方針の具体的な策定においては、下記のような課題が出てきます。
- 平時の30%の従業員出勤でどう対応するか?
--対応人材&人数の検討 - 緊急時、何が起きているか把握できるか?
--情報収集と対応策の案出 - 何が足りないか?
--人、モノ、資金、情報 - 何を何時までにしなければならないか?
--事前対策検討と被災後の対応手順等 - 経営者が被災した場合はどうするか?
--経営者をバックアップできる人材が育っているか? - -----
経営への影響を考えるとき、「(災害等の)脅威の大きさ」と共に「(各企業が抱えている)経営環境の変化」への認識として、急速なネットワーク化への対応(対応スピード)の必要性も言われています。