『ビル管理のドクターG』
ビル管理技術者は「ビルの総合診療医(ドクター・ゼネラル)」?!
古い「ビル防災」の本を眺めていたら、「ビル管理はビルのお医者さん」という小見出しがありました。
ビルの設備等の維持管理に関する様々な課題が持ち込まれ、それらをカバーしなければならないビル設備管理技術者は、多岐にわたる建築設備の管理に関する知識と資格をカバーするビル運営を支える存在。
「ビルのお医者さん」という小見出し、なかなか的を射ているように感じました。
NHK-BSで放送されていた『総合診療医ドクターG』を模倣して、「ビル管理(BM)のドクター・ゼネラル」と格好をつけてみました。
その理想像も探りながら話題にしてみたいと思います。
BM設備管理におけるリスクアセスメントについていろいろ取り上げてきましたが
「BM設備管理業務は設備管理のリスク(責任)を負う業務」であり、リスクアセスメントはその中核となる活動と言うこともできると思います。
再度「BM設備管理におけるリスクアセスメント」についてまとめてみたいと思います。
①リスクアセスメントにより「業務を再度見直してみる」
リスクアセスメントを行うに際して、現在行われている作業の中に(管理サイドが)把握或いは認識できていない作業がないかどうか、再度確認することができます(作業把握の機会になります)。
作業把握においては、下記のような区分け等が考えられます。
- 日常巡回等の作業
- 異常時対応作業
- ビル利用者への対応業務(主に““環境管理の5要素”への対応)
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「“環境管理の5要素”」からの視点
安全・衛生(健康)・快適・利便・経済性
※これらは、設備管理における業務品質の課題といえるものです。
②業務におけるリスクの検討
把握できた作業をもとに、リスクアセスメントの検討範囲を決めて、その業務におけるリスクの洗い出していくことになります。
特に、年に数回しか行わない「非定常作業」或いは「異常時対応作業」においての検討がポイントとなります。
非定常作業については、工程を時系列に検討してみる、或いは個々の単位作業についてその手順を追った確認等が考えられます。
異常時対応においては、その局面での対応力が問われることになります。
リスクアセスメントにより、不具合局面への対応力が如何に深められているかがポイントとなります。
リスク管理において、下記の3要点からの視点が考えられます
①管理の対象:災害・事故/故障・トラブル・非効率/ヒューマンエラー
②日常の対応:リスクアセスメントにおけるリスク低減対策の充実
③異常の対応:異常発生時の抑制・その伸展の防止
また、危険源をベースとして、リスクの内容を深めていくという方向もあります。
設備管理資格は、その多くは安全衛生管理のために制定されている面もあり、その視点からの検討をしていくということも考えられます。
電気、空気、水、その他の専門性についての管理上のリスクを検討していくということです。
例えば、各現場共通の課題としての電気安全の確保等です。
設備管理には法規に基づく多くの管理基準が存在しますが、先ずはそれらへの遵守状況の把握からのスタートとなるケースが多いと思います。
③管理一般におけるリスクアセスメントの視点
以上「BM設備管理は、ビル設備のリスク管理業」ということで、リスクアセスメントについて取り上げてきました。
そのなかで下記のような視点は一般化して日常の管理運営に活かせると思います。
- 業務作業全体を把握する
そのうえで、個々の業務と危険源との関わりをチェックから検討をしていく。 - ベテランの経験にリスクという視点での考察を加えてより広く危険源に対応していく
経験にプラスしてリスク管理で業務を充実する。 - BM設備管理における品質管理は安全管理(安全衛生管理)とほぼイコール
リスク対応策は管理の合理的最適化の深めとなる。
以上BM設備管理における設備管理主任の視点で、今までのリスクアセスメント記事に付記しましたが、リスクアセスメントについては多くの教材が存在します。
それらを活用して、設備管理主任がリードしてリスクアセスメントを深めてほしいと思います。