受変電設備:定期試験中の災害

「受電設備試験中:⾼圧充電部分に接触」

施設容量6kV 1,100kW 事故場所6kVコンデンサ⽤PF
:被災1名
全停電をして受電設備を試験中。
DGR特性試験の試験電源確保のため準備中、背後のPF2次側端⼦部に背中を接触、左腕、右⾜⾸に通電。
監視者無し!
停電範囲の誤認?
作業⽅法不良!

「キュービクル内清掃作業中:不意に振り返り感電」

事務所ビル:6kV 445kW 事故場所:6kV受電盤内VT
:負傷1名
ビル屋上の受電⽤キュービクルの点検において、清掃作業で振り返った瞬間、VT⼀次側ヒューズフォルダーに頭部を接触、感電
作業帽のみでヘルメット未着⽤!
作業⽅法不良、被害者の過失!(監督不十分?)

「キュービクル内清掃作業中:転倒し⾼圧に接触感電」

マンション:6kV 93kW 事故場所:6kV受電⽤LBS
:負傷1名
定期点検においてキュービクル内清掃時、転倒。
LBS⼀次側端⼦に右⼿指接触、被災。
開閉器未開放!
作業⽅法不良!被害者の過失!

「定期点検中:⾼圧を開放せずに接地端⼦を接触」

イベントホール:6kV 850kW 事故場所:6kV引き込み⼝LA⽤DS2次端⼦
:⽕傷1名
定期点検中、屋内受電⽤キュービクル6kV引き込み⼝LA⽤DS2次端⼦で残留電荷放電接地をしようとして、⼤⾳響/アーク発⽣、⽕傷。
受電DS未開放!
検電未実施!
単独作業!
半袖作業服!
作業不良!
被害者の過失!
(“安全管理”欠落の作業!)


【基本的注意事項】

  • 作業手順の遵守
    電気主任技術者の指示の下、手順を守る。
    --思い込み作業、先走り作業をしない!
  • 事前の手順変更に注意!(変更管理の徹底)
  • 作業に必要な保護具類の整備とその正規の使用
    --経年による設備の絶縁劣化に注意!

断路器操作時に発生したアークによる火傷災害

【事故の概要】

電気保安規程に基づく定期点検において、断路器の操作時、アークを発生させた。
断路器を操作した作業員と近くで見守っていた作業員は、顔にアークを受け、顔面に火傷した。
また、電気性眼炎となった。
--アーク発生と同時に、過電流継電器・地絡継電器が動作し、油入遮断器はトリップしている。

【事故の原因】

配置された断路器の充電確認の不備(作業者の初歩的ミス)
--事故を起こした断路器はコンデンサに接続されていた。
--インターロック等の安全措置は講じられていなかった。

【上記原因から導かれる事故防止対策等】

  • 関係図面と照合し、指揮者の指示のもと、一つひとつ確認しながら作業を進めていくように「操作手順」等を定め、その手順遵守のための教育訓練の実施を充実させる。
  • 遮断器、断路器、ケーブルヘッドなどが数多く並んでいる場合は、線名、回路番号、機器番号、相別などを明示しておく。
  • 操作してはならない開閉器等は、その旨を明示しておく。

区分開閉器開放の錯覚による感電火傷災害

【事故の概要】

他の作業者が責任分界点の区分開閉器を開放したものと錯覚し、受電用しゃ断器及び断路器を開放後、キュービクル裏面を移動中足を滑らし、咄嗟に差し出した手が断路器の充電部に接触した。
(両手先火傷--軽症で済んだことは幸いであった)

【事故の原因と防止対策】

日常的に注意しなければならない基本的な手順の欠落。
事前の電気主任技術者を含めた作業者間の手順打合せの欠如と考えられる。
--(慣れ等による)コミュニケーション不足
--作業時の検電確認の励行

電気主任技術者は「担当する事業場の電気設備について熟知している者」と位置付けられています。