受変電設備:⼯事中の災害

「変電設備の作業中に充電部に接触し感電・⽕災」

変電設備受電盤付近で⾐類が若⼲焼損。
電撃症が発⽣した⽕災。

--設備の更新⼯事中の⽕災
作業確認作業中、右⼿を受電盤底部について不意に上げた頭部が変流器の端⼦(6000V)に、顎部左側が感電防⽌網(鉄製)に触れたため、頭部→顎部→感電防⽌網→アース線を経由し、地絡したもの。
この地絡時に受傷と同時に帽⼦及びヤッケが若⼲焼損した。
保安帽、絶縁ゴム⼿袋を着⽤していなかった!
慣れによる安易な作業の排除!
安全管理の徹底!
--安全意識の喚起、作業責任者による監視・指導

事前の関係者への工事内容の周知の徹底
(作業範囲・作業方法・工程の事前準備とその遵守徹底の確認 等)
統括責任者(電気主任技術者)等の施工体制の明示
--工事途中の変更等についての連絡・指示系統の明確化

安全作業に関する注意事項が、作業者の末端まで伝わり、理解されているか?
--特に「作業者の安全意識の欠如」「作業者の思い込みによる危険作業の禁止」「工事内容を変更した場合の周知理解の徹底」等に注意!

停電による作業の励行」は、電気災害に対する最も有効でかつ安全な特効薬!
--やむを得ず活線近接作業となる場合は、活線部分を明確に区分する措置をとる。


工事業者への連絡不備によるアーク火傷災害

【事故の概要】

A工事業者が、PCTの取替工事を停電作業で実施中、C工事業者が電源側の開閉器を誤って投入したことにより、短絡接地箇所でアークが発生し、その付近で作業をしていたAの作業者が火傷災害を負った。

【事故の原因】

  • Cの作業者が、付近一帯が停電しているものと勘違いして、安全を確保しようとして、電力柱の分岐開閉器を開こうと昇柱し、施錠されていた引き綱をペンチで開け、(間違って)「入」側の綱を引いてしまった。
  • 設置者は、工事業者間の連絡を考慮せず、別工事を単発で依頼していた。
  • Cの安全作業についての管理品質も大きな問題。
  • 当事業場は、電気主任技術者不選任事業所であり、保安業務委託先との平素のコミュニケーション不足も遠因と推察される。

【上記原因から導き出される事故防止対策他】

  • 自家用電気工作物設置者の電気保安についての認識不足については、電気主任技術者が、安全管理についての啓発および日頃からの意思疎通を図る努力をしておく必要がある。
    ⇒電気主任技術者は「施設の電気安全の専門家」
  • 工事業者は、作業員の保安教育をはじめ、各種の業務教育・訓練に注力しておく必要がある。
    ⇒設置者は、業者選定において、その業者の業務管理品質等について、十分な考慮が必要である。

設置者の「電気保安についての認識不足」「個々の工事業者の業務品質の差異」等、日常的に起こり得る課題を含んだ事例と考えられます。


クレーンのロープが高圧絶縁電線に触れ、感電死亡

【事故の概要】

クレーンで貨物を吊って移動中、クレーンのロープが高圧絶縁電線に触れ、電線の被覆を破り、貨物を下で支えていた作業者が感電死亡した。
(高圧架空電線路との離隔をとるのが困難な工事計画であった)