脚立作業② 両手に物を持って脚立を昇るとき、足を滑らして転落した災害事例

<災害事例(業界関係書籍より)>

脚立を使用して天井蛍光灯取り付け工事中、溶接作業の必要が生じ、溶接棒ホルダー及び保護面をそれぞれ手に持って脚立を昇るとき、体のバランスを崩し、足を滑らせて転落したという事例です。
(踵骨を骨折、休業3ヵ月)

脚立の作業は低位置であるため、気軽に昇降を繰り返していますが、その気軽な作業の中に重大事故が潜んでいます。
一人で脚立作業をするとき、昇降時には手に物を持たず“三点支持”を守り、工具類等は「作業袋等」に入れてひもを使用して引き上げ下ろしするようにします。

脚立作業のような低位置での作業においても、墜落・転落による死亡災害は多く発生しています。
頭部は「脚立高+身長」の位置にあるため、落下距離も大きくなります。
ヘルメットの着用は不可欠です。

三点支持による昇降:手が2本、足が2本の四肢のうち三肢で体を支えることにより、一肢だけを自由にして、次の手がかり・足場へと移動の安全を図る昇降方法です

高齢者の場合、「“閉眼片足立ち時間”が10秒以下の場合は、加速度的に危険性が増す」とのことです。
高齢化社会では、高齢者に作業に参加してもらわなければならないケースも出てくると思いますが、若者とグループを組むことによるそれぞれの持ち味を活かした作業方法も提案されています。