④異常の現れ方

BM設備管理において遭遇するリスクについて、大まかに洗い出してきました。

災害レベルでのリスク対応については、事業継続に関わる事項でもあり、経営上の重要課題として、経営全体でのBCPで深めていくことになります。
設備管理の立場は、そのBCPへのバックアップということになります。

そして、日常における管理においては、そのリスクはどのように現れるのか?について、
それを事前に察知し、対応策を検討・実施することが管理上のポイントとなります。
異常事象(事故・災害:危険事象)への進展の前段階としての異常状態(危険状態の発現)という視点が必要となります。

『異常事象の現れ方』

設備機器は時間経過と共に劣化していきます。
また、異常はときとして突発的に発現することもあります。
そのような設備機器の異常事態を招かないために、またその寿命を延ばすために、日々の管理業務は存在しているとも言えるのですが---

  • 徐々に進行していく劣化をどうやって把握していくか?
  • そして、それに適切に対応するには?

という課題を設備管理においては抱えています。
--日々の健康維持のための努力と、定期の健康診断、そして異常値がある場合の早期治療です。

下記のような努力が必要となりますが、「個々の耐用年数の異なったもの(部品等)の集合体への対応」という難しい問題(課題)があります。

  • 日常は、過負荷運転の抑制、定格運転の保持等への努力。『健康維持』
  • 定期の各種検査(含む法定検査)等。『健康診断』
  • そしてその状況により保全・改修等の処置等。『治療』

設備機器は、次第に劣化していきます。
時間経過による摩耗等により故障するほか、機器や装置が稼働を続けていくことによる性能や効率の低下、或いは構成機材の固有性による「経年劣化」、爆風・浸水・火災・地震等による「災害劣化」などの劣化が発生します。
これらの劣化を防止し、或いは回復(修理)しなければ使用不能となり耐用年数を短縮し寿命を縮めることになります。

これらについて「日常の微差」或いは「数値の傾向変化」を見逃さないというような注意が必要になります。
そして、日常的な継続監視により見出した異常値はについては、その対応等へとつなげていくということになります。

一般的に下記のような保全例が挙げられています
   事後保全(発症後対応)
   予防保全(定期診断・事前治療)
   改良保全(設備の体質改善)
   保全予防(健康維持のための活動を計画実施)

設備の劣化については、次のような要因(リスク要因)が挙げられています。

  • 電気的要因
    --部分放電、異常電圧、過大電流 etc.
  • 機械的要因
    --機械的応力、摩耗、機械的衝撃力、振動 etc.
  • 熱的要因
    --温度上昇、熱サイクル、局部的異状過熱 etc.
  • 環境的要因
    --設置場所、有害物質、気象条件、日光、放射線、動物による食害 etc.
  • 人為的要因
    施工不完全、保守管理の不備、設計不良 etc.

少なくとも保守管理の不適切に起因する設備劣化は避けたいものです!

だが、突発的に異常事象が現れたとき--どうするか? 窮する場合もあります!
考えておかなければなりません

<管理コメント>
電気或いは水道料金のような読み取り数値が金額に反映されるような検針の場合、その数値の読み間違い或いは取扱いにより間違った数値が積算され、時間経過と共に累積して大きな金額になってしまうことがあります。
--数値(単位)の読み間違い、或いはメーター間の差引関係の間違い等には気を使うところです。

<管理コメント>
検査のためのデータ記録を有効に活用できているか?
計画された検査のスケジュールをこなすことに重点が置かれ、同じデータを異なった検査業者で採取していたケースがありました。
--管理の現場からアドバイスできていたらと思ったりもしました。