シャッター関係(災害&事故・トラブル)

防火シャッターの誤作動による事故

小学校の階段出入り口に設けられている防火シャッターが誤作動し、生徒が、落下してくる防火シャッターに首を挟まれ死亡したものである。

この防火シャッターは、煙感知器連動で作動する構造のもので、事故当日は湿度が99%と異常に高く、これが原因で誤差ご誤作動したものとされている。

煙感知器ならびに煙感知器の設置場所については、平成12年建設省告示第1370号(昭和48年建設省告示第2563号一部改正)で規定され、消防法の規定による検定の合格したものででないと使用できないこととなっている。
検定内容は、気温40℃、湿度95%の環境下で4日間放置して誤作動しないことが条件となっている。

この事故を教訓に平成10(1998)年、建設省より「防火シャッター閉鎖作動時の危害防止に関するガイドライン」についての指導があり、このなかで「危害防止機構を備えた防火シャッターの据付け」に掲げられた障害物感知装置および二段降下式の防火シャッターについては、当該装置を設置したことなどにより、防火戸の閉鎖装置の規定に違反するものでないことが示されている。
今後は、人の動線の多いところに防火シャッターを設ける場合には、この装置を設けたものを設置することが事故を防ぐうえで望ましいと思われる。

なお、煙感知器の設置場所について、下記の場所以外に設置することが規定されているので注意する必要がある。

  1. 換気口などの空気吹出口に近接した場所
  2. じんあい、微粉または水蒸気が多量に滞留する場所
  3. 腐食性ガスの発生する恐れのある場所
  4. 厨房など正常時において煙などが滞留する場所
  5. 排気ガスが多量に滞留する場所
  6. 煙が多量に流入する恐れのある場所
  7. 結露が発生する場所

From「建築設備士更新講習テキスト2000版」