<災害事例(業界関係書籍より)>
「蛍光灯の位置を替えるため、脚立に乗り、電動ドリルで天井に蛍光灯取付穴を開けていたとき、着用していた軍手がドリルに巻き込まれ、左手指に重傷を負った」という事例です。
(左手指は、第4・5指の用廃、第3指の強直で10級の障害等級)
上向きという不安定な姿勢で上方に力を入れるという作業において、軍手を着用していたということです。
再発防止策として、次のような事項が挙げられています。
<ドリル作業における注意>
- 「作業中の手袋使用禁止」の徹底
- 袖口の開いた作業服、ネクタイ等巻き込まれる可能性のあるものを着用しない。
- ドリルのスイッチが「OFF」になっていることを確認してから、プラグを電源コンセントに差し込む。
- プラグを電源に差し込んだまま、ドリルを移動する場合は、ドリルスイッチに手をかけない。
- スイッチを切ったときには、刃の回転が停止するのを確認するまで注意を怠らない。
- 使用しないときには、プラグを電源から抜くことを励行。
(停電によりドリルを使えないときも同じ) - 保護眼鏡の着用の励行
- 原則、脚立でなく、移動足場を使用する。
この事例も、軍手使用時の巻き込まれによるものです。
他の作業では手を保護するため軍手を使用し、ドリル等使用作業においては、巻き込まれ危険があるため軍手を使用しないという習慣が身につくまでは、意識的な注意が必要となります。
移動式のドリル作業の場合は、注意喚起の掲示も出来ず、作業をする当人の自覚に負うところが大きく、教育訓練による徹底化が必要です。
また、電動ドリルの起動スイッチと電源スイッチ(コンセント)のON・OFF関係も要注意です。
両スイッチの OFF&OFF を基本と考え、起動スイッチON&電源スイッチOFFの状況をつくらないことです。
尚、関連災害として、下記の事例が挙げられています。
電動ドリル使用時、電動ドリルを床に落とし刃を破損させたので刃を交換していたとき、電源を抜いていなかったので、刃の交換中にスイッチが入ってしまい、手を負傷した。