常に⼈々の“下っ⾛り役”であることが、⾃転⾞店を経営するKさんの商売信条。
「よそで買った⾃転⾞でも、気持ちよく修理してくれる店」として愛され、もう何⼗年の常連客も多いという。
兄の死で急に⾃転⾞店を継ぐことになり、当初は商売が嫌であったという。
ある⼈の教えにより「⾒返りを求めず、ただひたすら相⼿の幸せを祈る犠牲的な⼼づかい」ということを学んだ。
「本来、商品やサービスの対価を得ることで成り⽴つ商売でも、お客様に⼼から喜んでいただくためには、こうした⼼づかいは⽋かせない はず。」とKさんは受け取った。
そして、奥さんもこの⼼に素直に従ってくれた。
Kさんの⾃転⾞店はこの⽅針の下に⼆⼈三脚で経営されていった。
⻑年の経営においては、紆余曲折いろいろなことがあったそうですが、そのような中から「⼈様の“下っ⾛り役”に徹する」「“⽔⾯下での苦労”が⽣き甲斐」という思いが育まれてきたそうです。
喜寿を前に「目指すは“⽣涯現役”“終⾝定年”だそうです。」
外から⾒れば、多分ふつうの⾃転⾞屋さんのオジサンだと思います。
親の意向に従い⾃転⾞屋を継ぎ、そして良いと思える⼈の指導にも素直に従った。
しかし、Kさんのような⽣き⽅、⼼づかいになることは、実は非常に難しいのではないかと思います。
⼀時的には“客筋への格好のよい対応”はできても、欲得ベースではそれを⻑くは続けることはできません。
“⼼の備わった対応”は、本物でなければ続けられません。
街中の凄いオジサンです!
もしかしたら、近くにもそういうオジサンは居られるかもしれません。