建物内の避難

建物内における避難時の心構え

  • 「揺れを感じたら」「緊急地震速報を聞いたら」避難行動に移る
  • 避難時は「頭と足元」の保護に注意
    例えば、頭の保護として、布団をかぶる
    (地震と思った瞬間、家具等が倒れてくる前に布団をかぶる)
    (寝るときは、枕元に座布団を置いておくと、外に出るとき頭にかぶり、ヘルメットの代用とできる)

地震が起きた直後に、倒れた家具や家電製品で下敷きになるなどで、多くの人が家の中でケガをしています。

「安全ゾーン」への避難

  • 特に、夜間地震においては、停電が考えらる。
    経験者の言(イツモノート)にある、「静まりかえった真っ暗な世界」の現出となります。
    そして、「ガラスが飛び散っているだろう状況で明かりなしでは動けなかった」とあります。
  • 避難ルートに懐中電灯を置いておくとよい。
    (真っ暗では、住み慣れた自宅でも、距離方向が掴めない!)
    --懐中電灯には「蓄光テープ」を貼っておく、足元には「充電式の足元ライト」を設置しておく等の知恵が示されています。
  • 夜間、枕元に「防災カゴ」を置いて、その中に避難に必要な物を入れておくことを習慣とするという提案もなされています。

「安全ゾーン(屋内避難においての向かう先)」について

  • 「安全ゾーン(家屋内の避難場所)」の設定
    構造的に頑丈で、転倒落下物が少なく、閉じ込められる危険性の少ない場所を安全ゾーンとして事前に認識しておくことが大切です。
    まず外部への避難ができる「玄関」が挙げられます。
    (玄関以外でも外部に避難できる場所があれば、そこも安全ゾーンとして考えられます)
    (揺れで移動の余裕がなければ、丈夫なテーブルの下も臨時的に安全ゾーンと考えることができます)
  • そして、安全ゾーンまでのルートとして、「避難経路」を考えることになります。
    (階段周り、トイレも構造的に丈夫なため、家屋内における一時的安全ゾーンとして考えられますが、最近のユニット式トイレはドアが変形すると閉じ込められる恐れがあるそうです。)
  • ここで注意しておきたいのが「ドアの開閉」です。
    安全ゾーンにたどり着いたら、まずドアを開けて外部下の避難口を確保しておく必要があります。
    (強い揺れで“ドア部分は変形”し、ドアを開くことができず、閉じ込められてしまうという事態も想定されます)
    ドアを開けたら、ドアガード立てたり、サムターンを回したりして、ドアが閉まってしまわないようにしておく必要があります。
    (余震の発生が考えられます)
    --このドアの開閉にについては、屋内ドアも同じように考える必要があります。
  • そして、日常においても「玄関等安全ゾーンのケア」が大切となります。
    玄関等安全ゾーンにおいては、落下物を少なくし、履きやすい靴を用意しておくことに注意です。
    (外部に出てケガをしないためにも靴を履くことは必要)
    非常持ち出し袋やライトも玄関に置いておくと持ち出しに便利です。

以上から
安全ゾーンへの避難ルートの事前検討(各室からの避難についての検討)として、以下の準備が考えられます
→避難ルート上の障害物の確認、整理。
→避難ルート上に、足元保護のスリッパ・靴、頭保護用のクッション等を置いておく。

地震後の行動で特に注意したいのが、“割れたガラス”によるケガです。

加えて、「家屋内個々の場所における地震時の対応」についても考えておく必要があります。
例えば

  • 調理時(火気使用中)の地震
    --火を消すことができるか?
    --避難時の火災等への配慮
    ブレーカーを落とす
    ガス使用設備等の燃料の供給遮断
    もし危険有害物があれば、その漏洩防止措置
  • 2階に居るときの地震--階段を降りられるか? 等
  • 貴重品を取りにいくか?
    --「命捨てるな!物捨てよ!」 明快な提言です。

そして、この考察は、屋内だけでなく、日常における自分の行動範囲においても考えておく必要があります。
 「自動車を運転しているとき」
 「地下部分にいるとき」
 「会社で仕事をしているとき」
 「道路を歩いているとき」
 --何時? どこで?何をしているとき?---
  『もし~したらどうなるか?』

でき得れば、日常における避難想定・訓練の実施(企業における避難訓練に同じ)が望ましい!
災害発生時の対応行動は、日常訓練(想定等も含めて)の応用を瞬時に迫られることになります。
実際はその想定通りに事が運ぶことはまずないのですが、発生時の心構えに少しでも余裕が出てくるのではないでしょうか。

なお当FCPの検討は、主に一戸建て、或いはマンションにおける住居専用部分を想定しています
マンション(特に高層マンション)における共用部分へ出てからの地上(或いは避難階)への避難については、エレベーターの使用禁止、避難階段の使用等日頃からの避難経路の確認・維持が必要です。
避難訓練等防災活動において、マンネリ化も考えられますが、検討を深めることで新たな視点での対応が見えてくることもあろうかと思います。