災害時の復旧に当たっては、それに取り組むための資金(設備資金・運転資金等)が必要となります。
キャッシュフローが回るか等を意識して、予めどのようにして資金を調達していくかを検討しておくも重要です。
●損失額のシミュレーション
- 各現場の休業が続いた場合の損失額の発生シミュレーションを事前に検討しておく
--1週間、半月、1ヵ月---
●調達可能金額の検討
- 予め、どの程度の金額がどのような手段により調達可能かを検討しておく。
--金融機関窓口に問い合わせ等により確認
--様々な手段の組合せによる資金調達の最適化 - 必要な運転資金(対応資金/復旧資金等)の事前把握(1ヶ月分 or more?)
--自己資金を手厚く
--資金繰り計画書による必要資金の算出(例:BCP策定運用指針活用) - 保険の場合なら「査定に関する事項及び要する時間」など
- 定期的な財務診断に基づく必要資金の把握・見直し
●資金調達方法の検討
- 保険関係の事前検討
各種保険・共済について
--地震災害保険 他 検討
現在入っている損害保険の付保状況を把握しておく
--どの被害に、いくら保険金が支払われ、また免責金額はいくらか? - 金融機関との事前調整(対応体制等の共有を含め良好な関係の維持)
--銀行との日常的なつながりがポイントとなる!
メインバンクとのBCPに関する事前合意!
銀行と合意できるだけのBCPを作成できているか?
--平時から取引先金融機関にBCPの取組みをアピール - 各種支援制度等の事前検討
--融資、信用保証、共済貸付、保険、自社内部資金 等
(例:小規模企業共済、中小企業倒産防止共済)
(例:災害復旧貸付、セーフティネット保証、マル経融資、BCP融資)
「事業継続力強化計画」の認定制度
--中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度--
認定を受けた中小企業は、税制優遇や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。
計画に記載する項目の事例は以下の通りです。
・ハザードマップ等を活用した自然災害リスクの確認方法
・安否確認や避難の実施方法など、発災時の初動対応の手順
・人員確保、建物・設備の保護、資金繰り対策、情報保護に向けた具体的な事前対策
・訓練の実施や計画の見直しなど、事業継続力強化の実行性を確保するための取組 等
地震デリバティブ
定められた条件を満たす地震が発生すれば、定められた補償金を自動的に支払う制度で、事故の査定や損害の証明を行う必要がない資金調達手段。
コミットメントライン
企業と銀行が予め融資の上限を設定しておき、融資枠の範囲内で、企業からの請求に基づき、銀行が融資を実行することを約束する資金調達手段。