受動喫煙防止対策は?

久しぶりに喫茶店に入りました。
少し大きめの喫茶店です。
座っていると、たばこの匂いがしてきました。
ひとつ向こう側のテーブルからたばこの煙が上がっています!

店員さんが注文した飲み物を持ってきたとき、たばこのことを言うと、離れたテーブルへ案内されました。

受動喫煙を客として正当に訴え得ることができる社会情勢です。
店側も、その点は分かっていてか、即座の移動案内をしてくれました。

しかし、案内された席は、離れていてたばこの匂いはしなかったのですが、ひとつの大きな空間ではつながっていました。

受動喫煙の有害性については多く語られています。

<受動喫煙の影響>
流涙、鼻閉、頭痛等の諸症状や呼吸抑制、心拍増加、血管収縮等の生理学的反応等に影響するほか、肺がんや冠動脈心疾患等のリスクを増大させる。
--日本国内では、年間15,000人が受動喫煙で死亡していると推計されている!
--いまだ約30%の労働者が職場で受動喫煙を受けている!
等々

そこでこのような飲食店のケースにおいては、どのような規定になっているのか疑問がわいてきました

この飲食・喫茶店のホームページでは
・客席数 100席
・禁煙・喫煙 分煙
とあります。

「分煙」には「空間分煙」と「時間帯分煙」とがありますが、分煙というだけでは詳しく分かりません!

「職場における受動喫煙を防止するためのガイドライン」によりますと、
飲食店は、第二種施設に該当します。
そして、下記のどれかでなければならないとあります。

  • 原則屋内禁煙
  • ただし、下記は可能
    • 喫煙専用室設置(掲示義務)(20歳未満ダメ)
    • 加熱式たばこ専用の喫煙室設置(掲示義務)(20歳未満はダメ)

ただ、既存飲食店への当面の経過措置として、「喫煙可能室」の設置が可能となる「既存特定飲食提供施設」が設定されています。
この場合、以下の要件すべてを満たす必要があります。

  • 2020/04/01時点で営業している飲食店であること。 
  • 個人または資本金5,000万円以下の会社が経営するものであること。
    (除外条件あり)
  • 客席面積が100㎡以下であること。

今回のケースの場合
既存特定飲食提供施設」に該当するのか?
この場合、客席面積100㎡以下が引っ掛かります。
客席面積とは?
--通路等も含めた面積と解釈して設計の目安データを見てみますと

標準型席で「2.2~2.5席/坪」
3.3㎡ 2.5席で計算しますと、100席では約132㎡となり経過措置の内容においても問題あり?!
(ゆったり席ではなお大きな面積となります)
⇒「既存特定飲食提供施設」に当てはまらないのでは?
つまり、第二種施設の対応となりそうです。
どちらにしても、飲食も提供し、子供も当然に入ってくるでしょうし、掲示も必要です。

テレビ番組や映画でも、少し昔のものには、格好よく喫煙する場面が多く出てきます。
有名俳優がたばこを吸っています。
有名シーンにおいても多くあります。

営業への影響と規制強化の狭間で経営者は困惑されていることと推察します
お客さんが吸い出したら止めてもらうか退席してもらう
喫煙室を設けてそこへ移ってもらう
しかし、その喫煙室の設置条件維持条件は厳しく定められています

喫煙をしない者からすれば、「吸わなければいいのに」ということになりますが、そうもいかないのが人間です。

なお、受動喫煙についての講習会テキスト「受動喫煙防止対策ガイドブック」に、下記の記載があります。
「最近の厚生労働省研究班で、全国各地に店舗を持つファミリーレストランにおける調査を行っており、全客室の禁煙化(店内に喫煙室あり)は必ずしも営業上の不利益をもたらすものではないことが明らかになったと報告されています。」