既存共用住宅改修における防犯配慮設計指針(抜粋)

国⼟交通省防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針において、既存住宅共⽤部分の改修について、下記の設計指針(抜粋)が⽰されています。

<共⽤出⼊⼝>
  • 共⽤⽞関は、道路等からの⾒通しが確保されたものとすることが望ましい。
  • 共⽤⽞関扉は、内外を⾒通せる構造とすることが望ましい。
    また、オートロックシステムを導⼊することが望ましい。
  • 共⽤⽞関以外の共⽤出⼊⼝は、道路等から⾒通しが確保された位置に設置することが望ましい。
  • オートロックシステムが導⼊される場合には、⾃動施錠機能付き扉を設置する。
  • 共⽤⽞関の照明設備は、その内側の床⾯において概ね50ルクス以上、その外側の床⾯において極端な明暗が⽣じないよう配慮しつつ、概ね20ルクス以上の平均⽔平⾯照度をそれぞれ確保することができるものとすること。
  • 共⽤⽞関以外の共⽤出⼊⼝の照明設備は、床⾯において概ね20ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
<管理⼈室>
  • 共⽤⽞関、共⽤メールコーナー及びエレベーターホールを⾒通せる構造とすることが望ましく、⼜はこれらに近接した位置に配置することが望ましい。
<共⽤メールコーナー>
  • 共⽤メールコーナーは、共⽤⽞関、エレベーターホール⼜は管理⼈室等からの⾒通しが確保されたものとすることが望ましい。
  • 共⽤メールコーナーの照明設備は、床⾯において概ね50ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
  • 郵便受け箱は、施錠可能なものとすること。
<エレベーターホール>
  • 共⽤⽞関の存する階のエレベーターホールは、共⽤⽞関⼜は管理⼈室等からの⾒通しが確保されたものとすることが望ましい。
  • 共⽤⽞関の存する階のエレベーターホールの照明設備は、床⾯において概ね50ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
  • その他の階のエレベーターホールの照明設備は、床⾯において概ね20ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
<エレベーター>
  • カゴ内には、防犯カメラを設置すること。
  • 非常時において押しボタン、インターホン等によりカゴ内から外部に連絡⼜は吹鳴する装置が設置されたものとすること。
  • カゴ及び昇降路の出⼊⼝の扉は、エレベーターホールからカゴ内を⾒通せる構造の窓が設置されたものとすること。
  • カゴ内の照明設備は、床⾯において概ね50ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
<共⽤廊下・共⽤階段>
  • 共⽤廊下は、その各部分、エレベーターホール等からの⾒通しが確保されたものとすることが望ましい。
  • 共⽤廊下及び共⽤階段は、各住⼾のバルコニー等に近接する部分については、当該バルコニー等に侵⼊しにくい構造とすることが望ましい。
  • 共⽤階段のうち、屋外に設置されるものについては、住棟外部から⾒通しが確保されたものとすることが望ましく、屋内に設置されたものについては、各階において階段室が共⽤廊下等に常時開放されたものとすることが望ましい。
  • 共⽤廊下・共⽤階段の照明設備は、極端な明暗が⽣じないよう配慮しつつ、床⾯において概ね20ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
<⾃転⾞置場・オートバイ置場>
  • ⾃転⾞置場・オートバイ置場は、道路等、共⽤⽞関⼜は居室の窓等からの⾒通しが確保されたものとすることが望ましい。
  • ⾃転⾞置場・オートバイ置場は、チェーン⽤バーラック、サイクルラックの設置等⾃転⾞⼜はオートバイの盗難防⽌に有効な措置が講じられたものとすること。
  • ⾃転⾞置場・オートバイ置場の照明設備は、極端な明暗が⽣じないよう配慮しつつ、床⾯において概ね3ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
<駐⾞場>
  • 駐⾞場は、道路等、共⽤⽞関⼜は居室の窓等からの⾒通しが確保されたものとすることが望ましい。
  • 駐⾞場の照明設備は、極端な明暗が⽣じないよう配慮しつつ、床⾯において概ね3ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
<通路>
  • 通路は、道路等、共⽤⽞関⼜は居室の窓等からの⾒通しが確保されたものとすることが望ましい。
  • 通路の照明設備は、極端な明暗が⽣じないよう配慮しつつ、路⾯において概ね3ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
<児童遊園、広場⼜は緑地等>
  • 児童遊園、広場⼜は緑地等は、道路等、共⽤⽞関⼜は居室の窓等からの⾒通しが確保されたものとすることが望ましい。
  • 児童遊園、広場⼜は緑地等の照明設備は、極端な明暗が⽣じないよう配慮しつつ、地⾯において概ね3ルクス以上の平均⽔平⾯照度を確保することができるものとすること。
<塀、柵⼜は垣等>
  • 塀、柵⼜は垣等は、領域性を明⽰するよう配置することが望ましい。
  • 塀、柵⼜は垣等の位置、構造、⾼さ等は、周囲からの死角の原因及び住⼾の窓等への侵⼊の⾜場とならないものとすること。
<防犯カメラ>
  • 共⽤出⼊⼝、共⽤メールコーナー、エレベーターホール、屋内共⽤階段、⾃転⾞置場・オートバイ置場、駐⾞場等の改修において、防犯上必要な⾒通しの確保が困難な場合には、防犯カメラを設置することが望ましい。
  • 防犯カメラを設置する場合には、有効な監視体制のあり⽅を併せて検討すること。
  • 防犯カメラの映像を録画する記録装置を設置することが望ましい。
  • 防犯カメラを設置する場合には、⾒通しの補完、犯意の抑制等の観点から有効な位置、台数等を検討し適切に配置すること。
  • 防犯カメラを設置する部分の照明設備は、照度の確保に関する規定のある各項目に掲げるものの他、当該防犯カメラが有効に機能するため必要となる照度を確保したものとすること。
<屋上>
  • 屋上は、出⼊⼝等に扉を設置し、屋上を居住者等に常時開放する場合を除き、当該扉は、施錠可能なものとすること。
  • 屋上がバルコニー等に接近する場所となる場合には、避難上⽀障のない範囲において、⾯格⼦⼜は柵の設置等バルコニー等への侵⼊防⽌に有効な措置を講じたものとすること。
<ゴミ置場>
  • ゴミ置場は、道路等からの⾒通しが確保されたものとする。
  • 住棟と別棟である場合には、住棟等への延焼のおそれのない構造等とすること。
  • ゴミ置場は、他の部分と塀、施錠可能な扉等で区画されたものとするとともに、照明設備を設置したものとすることが望ましい。
<集会所等>
  • 集会所等の共⽤施設は、周囲からの⾒通しが確保されたものとするとともに、その利⽤機会が増えるよう、設計、管理体制等を⼯夫すること。

From「マンション管理⼠更新講習テキスト」