⼿摺・⾯格⼦などの強度は、少なくとも⼈間が出し得る最⼤⼒に耐えるものでなければならないと考えられます。
⼈間の出す⼒については、下記のようなデータが示されています。
- 1⼈が寄りかかったとき 25[kg/1m幅]
- 1⼈が全⼒で寄りかかったとき 150[kg/1m幅]
- 1⼈が押しつけられて苦しいとき 190[kg/1m幅]
- 集団で押すとき最前列の⼈が悲鳴をあげる 600[kg/1m幅]
それぞれの⼿摺や⾯格⼦の近傍で、何⼈の⼈がどのような状態で加圧する可能性があるのかの想定が必要となります。
しかし、この想定は容易ではないと思います。
また、経年劣化或いは余裕率をどう考えるかの問題もあります。
⼤凡の目安として、下記のような強度がとられているようです。
- 特別な場合を除けば、⼀⼈の⼈間が全⼒で押したときの⼒にある程度の余裕を持って耐える必要があることから、150[kg/m]位の集中荷重に耐えることが最低限の必要条件。
- 複数の⼈間の加⼒を考慮しなければならないような場合には、300[kg/m]をひとつの目安とする。
駅や⼤規模集会場などの⼤勢の⼈が集中する場所に設けられる⼿摺などは、少なくとも600[kg/m]以上の強度が必要となるようです。
また、⼿摺などの全体としての強度以外に、構成各部材の強度や剛性なども考慮しておく必要が出てきます。
筆者は、ある斬新なビルにおいて、1階から5階まで吹き抜けらせん状の階段で、押せば揺れる⼿摺に、感覚的な危険(恐怖)を感じたことがあります。