BCPレジリエンス

自然災害を含め多くのリスクの存在の下、事業環境の激変にさらされる企業や組織にとって、「生き延びる力(もちこたえる力)」は最重要課題の一つです。
しかしその生き延びもちこたえる過程において、単に生き残るだけでなく、「ピンチをチャンスに、危機を機会に変えて成長する」ことが出来得れば---
安全管理においても「レジリエンス」という概念がエリック・ホルナゲル氏により提唱されましたが、BCPにおいても「事業継続力」という視点で捉えることが出来そうです。

(特非)事業継続推進機構 副理事長の伊藤毅氏は次のような取り組みを指摘されています。

  1. 計画策定ではなく実効性を重視した事業継続力強化を目的とする。
  2. 基本理念(Why)と行動原則(What)を明確化し、現場に納得感が得られる取り組みを継続していく。
  3. 訓練を起点とした気付きと行動力の強化を実践し、常に課題を明確化していく。
  4. BCPの取り組みと平時の競争力強化を一体のものとして取り組んでいく。★
  5. 継続的改善の負荷を軽減しながら、事業継続力強化を続けていく。

この5つの状態を作り上げることが、旧来のBCPの考え方から、何十年にもわたって継続的に向上させる事業継続力強化への転換である。
すべての企業や組織は旧来の考え方にとらわれることなく、自由な発想で自社の基本理念に寄り添う事業継続力強化に取り組むべきである。

安全管理における[Safety-Ⅰ]から[Safety-Ⅱ]への展開と同様に、BCPにおいても「BCPレジリエンス(BCP-Ⅱ)」という視点での展開へ---
雑誌「安全と健康」2022年4月号伊藤毅氏の記事よりヒントを得ました

(株)武蔵野の小山昇氏の指摘にも通じる内容です