③絞り込んだリスクのハザード分析

以上の検討において、企業の立地状況等にもよりますが、
一般的には、まず「地震」「風水害(台風)」「火災」が挙げられると考えます。

この3災害について、
それぞれの「ハザード」及び「ハザードによりもたらされる危険事象」を検討してみます。

地震によるハザード&危険事象

  • 地震動(揺れ)
    ・家屋倒壊--負傷、圧死
    ・家具・設備・備品等の移動--負傷、圧死
  • 地震による液状化の発生
    ・家屋倒壊--負傷、圧死
  • 地震に起因する火災
    ・初期消火の失敗、通報の遅れ、避難遅れ--焼死、一酸化炭素中毒死、負傷
  • 津波による浸水
    ・水没--水死、水損

風水害によるハザード&危険事象

  • 台風(雨・風・洪水)
    ・水没・浸水--水死、水損、家屋破損
    ・漏水--家屋破損、水損
  • 集中豪雨(雨・洪水)
    ・水没・浸水--水死、水損、家屋破損
    ・漏水--家屋破損、水損

火災によるハザード&危険事象

  • 火災の発生
    ・避難遅れ、初期消火の失敗、通報の遅れ --焼死、一酸化炭素中毒死、負傷
    ・財産の損失
    ・社会的責任問題の生起
    ☆出火起因物、事前対応不備の検討

以上の他にも各企業に独自の「ハザード」及び「危険事象」が考えられると思います。

また、考慮しておくべき事項として下記が挙げられています

【考慮しておくべき事項(インフラ&企業への影響)】

ライフライン
  • 電気、水道、ガスの停止
    ←設備管理業務の重要項目
情報通信
  • 電話、インターネットの使用不可
    ←分散した現場の把握と指示の方法
    ←情報収集・発信手段の確保
道路、交通機関
  • 津波、家屋倒壊等による道路・交通機関の使用不可
    ←遠隔者の活動阻害
  • 従業員の勤務困難(3割程度の稼動)
  • 従業員等の負傷
    ←安否確認ルールの整備
    ←代替要員の確保
    ※設備管理・施設管理業務は「人」の面が大きなネックとなる!
情報
  • パソコン等情報機器の破損
  • データ等重要書類の損失
    ←重要データの適切な保管
  • 建築物・設備の破損
    倒壊、浸水、転倒、落下 等々
    ←設備の固定
    ←代替方法の確保
  • 売り上げの低下
  • 運転資金の不足
  • 復旧費用の不足
    ←緊急時に必要な資金の把握
    ←現金・預金の準備

検討の結果は、「インフラ&会社に与える影響表」に整理していきます。

★一つひとつの事象について考えていくことになります。
被災後の状況を考え、資金繰り、取引先及び同業他社の対応を想定して、内容を深めていきます。