道を歩いていると、11、2歳の少年が近づいてきました。
その少年は自己紹介をしてからこう言いました。
今度の土曜日の晩に、毎年恒例のボーイスカウト･サーカスが開かれるのですが、ぼくは今そのチケットを売っています。
できたら何枚か買ってくれないでしょうか。
１枚５ドルです。
土曜の晩をボーイスカウトと一緒に過ごすなんてまっぴらだったので、私は断りました。
「そうですか」と少年は言いました。
「チケットが駄目なら、チョコバーはどうですか？ １本たったの１ドルです」
私は２本買い、その途端、たった今、注目に値する出来事が起きたと気がづきました。
（私：チャルディーニ）
『反報性のルール』from「影響力の武器」（ロバート･B･チャルディーニ著）
その場を終わらせたいために、相手の譲歩（自分の拒絶を受け取ってもらった）ということに対して、（自分はチョコバーが欲しくはなかったが）相手の小さな提案を受け入れてしまった－－よくある話かもしれません。
＝＝『譲歩的要請法（拒否したら譲歩法）』として示されています
