密閉空間における、消⽕活動などの⼿を加えない「放置⽕災」は、⼀般的に下記のような進⾏過程を経るとされています。
はじめは「くん焼状態」が続き、空間の温度が上がっていき、可燃性ガスと酸素の温度と濃度がある適合状態となったとき、爆発的に⽕勢が拡⼤する。
この爆発的に燃焼する現象は「フラッシュオーバー」と呼ばれています。
そして、フラッシュオーバー発⽣後は、他の部屋等へと⽕災が拡⼤していくことになります。
フラッシュオーバーに⾄までの時間は、⽕源の規模、内装材の種類、可燃物量、開⼝部の⼤きさなどにより異なりますが、⼀般に3分から8分の場合が多いといわれています。
また、条件によってはフラッシュオーバーに⾄らないこともあります。
フラッシュオーバーに⾄ると、⽕勢が⼀挙に拡⼤するため、⼊居者による⾃⼒消⽕は不可能となり、⼈命の危険や被害が⼤きくなります。
このため、フラッシュオーバーに⾄るまでの段階における「初期消⽕」が⼤切となります。
しかし、⼀歩間違えば、初期消⽕活動時にフラッシュオーバーに合うことも考えられ、その爆風⽕焔等の被害を受けることにもなりかねません。
⼀般的に、「⼈の背の⾼さまでの⽕焔なら消⽕器で消せる可能性があるが、それ以上の状態となれば公共消防組織の対応に委ねるということになる」と⾔われています。
いずれにしても、⽕災発⾒時の「消防機関への通報」を忘れないことが⼤切です。
⽕災対応に追われて、当事者は消防機関への通報を忘れていて、外部の⼈が通報したという事例を聞きます。
「内々で収めて、ことを⼤きくしたくない」という当事者の判断がはたらくかもしれませんが、外部機関への通報が遅れると「⼤惨事」につながりかねません。