「転落」の防⽌:①階段のタイプについて

階段のタイプは、平⾯と断⾯に分けて考えると分かり易いとされています。

<平⾯のタイプ>

いろいろの形態がありますが、「直階段」「回り階段」「踊り場」の3つの要素で構成されていると⾒ることができます。

それぞれ、次のような特徴があります。

  • 直階段は、勾配や蹴上げ・踏み⾯の寸法が⼀定。
    つまり、階段幅のどの位置を通っても、⾜場条件は変わらない。
    勾配や蹴上げ・踏み⾯を適当な条件に合わせることができる。
  • 回り階段は、蹴上げ寸法以外は違っている。
    つまり、階段幅の位置によって、⾜場条件が異なってくる。
    勾配や蹴上げ・踏み⾯の適当な条件は、ある⼀点しか合わせられない。

以上より、トラブルの発⽣という⾯で、回り階段の⽅が問題があると⾔えます。
しかし、直階段には、いったんトラブルが発⽣すると最下部まで転がり落ちる可能性があります。
また、直階段と回り階段の接合部がある場合、その接合部で昇降のリズムが崩れるという問題もあります。

以上の昇降部分に対し、踊り場は、昇降の負担と落差をそこで切るという働きがあります。
⾔い換えれば、そこで休むことができ、また万⼀転がり落ちた場合でもそこで⽌まる可能性も⾼いということです。
したがって踊り場を設けることは、階段の危険性を減少させる効果があります。

<断⾯のタイプ>

踏み板部分の構造で、「開放型」と「閉鎖型」に分けることができます。

  • 段板の間が開放されている階段は、⽊造や鉄骨の屋外階段等でよく⾒うけられますが、昇るときつま先を引っかけたり、すべって⾜を隙間から突き出す可能性があります。
    物を隙間から落とすことも考えられます。
  • 閉鎖されているタイプは、開放型に⽐べて問題が少ないといえます。

直階段と回り階段の接合部で踊り場が設けられていない場合、上がるときにつまずいたり、降りるときに踏み外したりした経験のある⼈は多いのではないかと思います。

屋外に設けられた階段は、避難階段を兼ねた開放型が多く⾒られますが、⽇常的に使⽤されている場合、特に上記のような注意が必要となります。