バスタブに乗って浴室清掃中転落した災害事例

<災害事例(業界関係書籍より)>

バスタブの天井面に設置された換気孔の拭き掃除をしようとして、バスタブの縁にシューズを履いたまま乗って作業中、シューズが脱げ、その瞬間足が滑って、床面まで転落した。
その際、手をついて体をかばったが、左腕の付け根に激痛、左上腕骨を骨折した。
(左上腕骨骨頭頸部骨折、休業2ヵ月 56歳)

浴槽床面に水が残っているときは“滑り”に注意です。
身近に、当災害と同じように、水のついたバスタブの縁に上がり風呂の上部を拭いていて、滑って落下し、頭部を強打した者がいます。(病院で脳の検査を受けました)
また当筆も、浴室床面の水気で滑り、転倒はしなかったのですが、踏ん張った足首がねんざに近い状態になった経験があります。
このケースでは「シューズを履いたまま乗っていて、シューズが脱げた」ということですが、滑りやすいという状況は同じです。
「“バスタブの縁に乗っての上向き作業”は中高年齢者には好ましい方法ではない」との指摘もあります。

災害防止対策として、次のような項目が挙げられています。

  • 換気孔の清掃は、定期かつ一斉に専門作業員に行わせる。
  • バスタブの縁には乗らず、伸縮ポール等の利用により、床上で作業するようにする。
  • バスタブ上に乗る必要のあるときは、荷重に耐える外れ止め付きの「ふた」を利用する。
  • 靴を履いて作業するときは、足に合った滑り止めの効く(摩耗していない)靴を使用する。