熱中症① 草刈り作業中熱中症(熱射病)で死亡

<災害事例(業界関係書籍より)>

朝から緑地の雑草を草刈機を用いて刈り取る作業をしていて、昼前に「具合が悪いので休む」と周りに断り、木陰に横になった。
しばらくして、同僚が様子を見に行ったところ、ぐったりしており意識のない状態であった。
救急車を手配し、病院へ搬送したが、熱射病と診断され、応急手当を受けたが、意識が戻らないまま数時間後に死亡した。
(熱射病による死亡、男性28歳)

典型的な熱中症災害です。
人の体は、「先祖が何回かの氷河期を耐え抜いてきた強みで、低温には強くできているが、高温には弱い」と言われています。
高温環境下では、どんなに汗をかいても、体温が上がるのを防ぎきれない面があります。
ましてや、脱水を起こせばより危険な状況におかれることになります。

熱中症の症状の分類として重症度を3段階に示されています。
(重症度Ⅰ度~重症度Ⅲ度)

<Ⅰ度:重症度 小>
  • めまい・失神・・・「たちくらみ」のこと。「熱失神」と呼ぶこともある。
  • 筋肉痛・筋肉の硬直・・・筋肉の「こむら返り」のこと。「熱麻痺」と呼ぶこともある。
  • 大量の発汗
<Ⅱ度:重症度 中>
  • 頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感・・・体がぐったりする、力が入らない など。
    従来「熱疲労」と言われていた状態。
<Ⅲ度:重症度 大>
  • 意識障害・痙攣・手足の運動障害・・・–呼びかけや刺激への反応がおかしい。
    ガクガクと引きつけがある、真っ直ぐに歩けないなど。
  • 高体温・・・体に触れると熱いという感触がある。従来「熱射病」などと言われていたものが相当する。

熱中症に対する予防対策は「職場における熱中症の予防について(平成21年6月19日 基発0619001号)」に詳しく示されています。
大きく、「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」「労働衛生教育」「応急措置」等が挙げられています。
下記の「熱中症予防対策」等を参照ください。
http://jashcontokushima.sakura.ne.jp/wp/2016/06/03/post-335/