<災害事例(業界関係書籍より)>
終日緑地の草刈り作業をしていたが、夕刻突然口から泡を吹いて倒れた。
震えもあり、顔色も悪く、救急車で病院へ搬送したが、脱水症状が進行しており、翌日死亡した。
(熱射病による死亡、男性43歳)
典型的な熱中症による災害事例です。
早めの適切な処置が事故を防ぎます。
比較的軽度の「熱疲労」か、重傷の「熱射病」かの判断として下記の項目が示されています。
(これらの症状が一つでもあると、熱射病の可能性があります。)
- 意識がもうろうとしていないか?
- 皮膚が乾いているか?
皮膚が乾燥し、熱ければ、脱水が進行している! - 皮膚をつまんだとき、しわがすぐに戻るか?
手の甲の皮膚をつまんでみて、しわの戻りが遅い場合は、体の水分が失われていることを意味している!
※特に高齢者は、体内の水分量が若者より少なくなっているため、脱水状態になりやすく、また脱水による意識障害が起こりやすいので、水分の補給には十分注意が必要です。
熱射病と考えられる場合には、救急車の手配が必要ですが、救急車が来るまでの応急処置として下記の手当法が示されています。
- 服装をゆるめる(通気を良くする)
- 氷や冷水があれば、頸動脈を冷やす。
(脳を守るために、脳に流れる血液を冷やすことが有効。脳は40.5℃で変性すると言われている。)
氷や冷水が余分にあれば、脚のつけ根や脇の下などの動脈が皮膚に近いところを冷やす。
(体温を一刻も早く冷やす。45℃になると体のタンパク質が熱凝固し始める。)